グレープフルーツを食べなさい
「美奈子、今回は本気だったんです。選ばれるためにパソコンの資格取るって言って勉強始めたりして、彼女なりに頑張ってたんです」
「……美奈子が?」
「三谷さん、私達のことなんて何も知らないくせに、一方的に偉そうなことばかり言わないでください!!」
毅然とそう言い放つと、彼女たちは振り返りもせず給湯室を出て行った。
一人取り残された給湯室で、私は愕然としていた。
「部長のお茶、淹れなきゃ……」
茶筒を取ろうと棚に手を伸ばした途端、肩を鈍い痛みが襲う。今頃になって、肩に食い込むほど強い美奈子の指の感触が蘇ってくる。
彼女たちの変化を、私は全く気付いていなかった。資格を取ることを考えるくらいなら、普段の仕事への取り組み方も変わってきていたはずだ。
「……美奈子が?」
「三谷さん、私達のことなんて何も知らないくせに、一方的に偉そうなことばかり言わないでください!!」
毅然とそう言い放つと、彼女たちは振り返りもせず給湯室を出て行った。
一人取り残された給湯室で、私は愕然としていた。
「部長のお茶、淹れなきゃ……」
茶筒を取ろうと棚に手を伸ばした途端、肩を鈍い痛みが襲う。今頃になって、肩に食い込むほど強い美奈子の指の感触が蘇ってくる。
彼女たちの変化を、私は全く気付いていなかった。資格を取ることを考えるくらいなら、普段の仕事への取り組み方も変わってきていたはずだ。