グレープフルーツを食べなさい
『はい、外食事業部中山です』

「あ、響子? そこに部長から商談の準備頼まれてた子たちいない?」

『うーん、ここにはいないみたいですね。どうかしたんですか?』

「まだ誰も来ないんだよね。何かトラブルかな」

『部長の商談……、あっ!!』

 耳元から響いてきた響子の大声に、思わず顔を顰めた。

「なあに、そんな大きな声出して」

『すみません。そういえばさっき、ヘルプの子達と美奈子が話してるのを見かけたんです。ひょっとして、三谷さんの手伝いに行かないように根回ししてたんじゃないですか?』

「美奈子が?」

 まさかこの間のことをまだ根に持ってるの?

 ひょっとして、会議室がいつもより散らかっているのも美奈子たちの仕業とか……。

 嫌な予感に、背中にじわりと汗が浮かんだ。


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