グレープフルーツを食べなさい
「俺が手伝います。どうせあいつらのことだから、誰もヘルプに来れないよう手を回してるでしょ」

「あ、ありがとう」

 上村がそう言ってくれて、ホッとして気が抜けそうになる。

 ダメダメ、まだ準備は終わってない。気合を入れなければ。

「時間ないですよ。さっさとすませましょう」

 シャツの袖のボタンを外し、腕まくりをする上村に頷いた。

 上村は一人で軽々と長机を並び替えていく。私は上村の後を追い、一つずつ椅子を揃えていった。


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