グレープフルーツを食べなさい
「入っていただいて大丈夫ですよ、三谷さん」
中に入っていいものか迷っているとでも思ったのか、看護師さんが私に優しく声をかけてくれた。それでもどうしても体が動かず入り口で立ち竦んでいると、誰かが優しく私の肩に触れた。
「大丈夫ですよ、先輩。俺も一緒に入ります」
遅れてきた上村がそっと私の肩を押す。私は彼と一緒に恐る恐る母へと向かって歩き出した。
ベッド脇の機械の照明が母の顔を青白く照らしている。
母は眠っていた。数秒毎に白く濁る酸素マスクと、微かに上下する胸元が母は確かに生きているということを教えてくれる。安心して、思わずため息が零れた。
中に入っていいものか迷っているとでも思ったのか、看護師さんが私に優しく声をかけてくれた。それでもどうしても体が動かず入り口で立ち竦んでいると、誰かが優しく私の肩に触れた。
「大丈夫ですよ、先輩。俺も一緒に入ります」
遅れてきた上村がそっと私の肩を押す。私は彼と一緒に恐る恐る母へと向かって歩き出した。
ベッド脇の機械の照明が母の顔を青白く照らしている。
母は眠っていた。数秒毎に白く濁る酸素マスクと、微かに上下する胸元が母は確かに生きているということを教えてくれる。安心して、思わずため息が零れた。