グレープフルーツを食べなさい
「処置が早かったので、今容態は安定してます。後で医師からご説明いたしますので、こちらでしばらくお待ちくださいね」
にこやかにそう告げると、看護師さんは病室を出て行った。
そっと手を伸ばし、点滴に繋がれた母の手を握った。骨ばった母の手の甲を何度も何度も撫でさする。
手のひらに母のぬくもりを感じ、生きていてくれた母に心の中で『ありがとう』と何度も囁いた。
「先輩、俺外で待ってます。もう一人でも大丈夫ですよね」
「……うん、大丈夫」
「じゃあ、俺……」
「……上村!」
ドアの前で上村が立ち止まり、私を振り向いた。
「……ありがとう、上村がいてくれて助かった。本当に、ありがとう」
上村は私の言葉に目を細めると、静かに病室から出て行った。
にこやかにそう告げると、看護師さんは病室を出て行った。
そっと手を伸ばし、点滴に繋がれた母の手を握った。骨ばった母の手の甲を何度も何度も撫でさする。
手のひらに母のぬくもりを感じ、生きていてくれた母に心の中で『ありがとう』と何度も囁いた。
「先輩、俺外で待ってます。もう一人でも大丈夫ですよね」
「……うん、大丈夫」
「じゃあ、俺……」
「……上村!」
ドアの前で上村が立ち止まり、私を振り向いた。
「……ありがとう、上村がいてくれて助かった。本当に、ありがとう」
上村は私の言葉に目を細めると、静かに病室から出て行った。