グレープフルーツを食べなさい
「三谷さん、ここです。お呼び立てしてすみません」
「岩井田さん、お待たせしました」
終業時間を少し過ぎて、岩井田さんは直接私の携帯に連絡してきた。
岩井田さんが指定したのは、落ち着いた雰囲気の居酒屋だった。棚にずらりと地元の焼酎や日本各地の日本酒の瓶が並んでいる。
「ここで良かったかな。三谷さんの好みに合えばいいんだけど」
「焼酎も日本酒も好きですよ。お料理もおいしそうだし、楽しみです」
料理はお店のお任せにして、私と岩井田さんはとりあえずのビールで乾杯した。岩井田さんに勧められるまま、運ばれてくる料理に箸を伸ばす。どれも美味しくて、つい夢中になった。
「それで、本題なんだけど」
料理の半分ほどに箸をつけたところで、岩井田さんが話を切り出した。
「三谷さん、僕が将来独立を考えてるって話覚えてるかな?」
「はい、建築家のお友達と……って話ですよね。それがどうかしたんですか?」
「実は資金面の目途が立って、早ければ来年にでも開業しようかと思ってるんだ。……そこで相談なんだけど、三谷さん僕について来る気はない?」
「岩井田さん、お待たせしました」
終業時間を少し過ぎて、岩井田さんは直接私の携帯に連絡してきた。
岩井田さんが指定したのは、落ち着いた雰囲気の居酒屋だった。棚にずらりと地元の焼酎や日本各地の日本酒の瓶が並んでいる。
「ここで良かったかな。三谷さんの好みに合えばいいんだけど」
「焼酎も日本酒も好きですよ。お料理もおいしそうだし、楽しみです」
料理はお店のお任せにして、私と岩井田さんはとりあえずのビールで乾杯した。岩井田さんに勧められるまま、運ばれてくる料理に箸を伸ばす。どれも美味しくて、つい夢中になった。
「それで、本題なんだけど」
料理の半分ほどに箸をつけたところで、岩井田さんが話を切り出した。
「三谷さん、僕が将来独立を考えてるって話覚えてるかな?」
「はい、建築家のお友達と……って話ですよね。それがどうかしたんですか?」
「実は資金面の目途が立って、早ければ来年にでも開業しようかと思ってるんだ。……そこで相談なんだけど、三谷さん僕について来る気はない?」