グレープフルーツを食べなさい
「もう朝礼始まるわよ」

 給湯室の入り口に立ち、そう言い放つ。
その場の空気がピシと音を立てて凍りついたようだった。

「無駄口叩いてる暇ないと思うけど」

 わざとヒールの音を響かせ、キッチンにもたれたまま私を睨みつける美奈子の前まで歩いた。

「どいてくれる? お茶を淹れたいの」

「……すみません」

 月曜の朝から部長のご機嫌を損ねるなんて真っ平だ。

 私の気迫に気圧されたのか、美奈子は案外あっさりと体をどけた。

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