グレープフルーツを食べなさい
「唐湊(トソ)郵便局の方へ向かってください」
「へえ中山、唐湊なんですか」
「響子K大卒でしょ? 学生の時からマンション変えてないのよ」
「ああ、引越しとか面倒がりそうですもんね」
すっかり寝入っている響子の顔を見て、上村はくすりと笑った。
「上村、飲み会では変な態度取ってごめんね。上村ってもてるから、その……色々面倒なんだよね」
私は上村に、飲み会でのつれない態度を謝った。
わざわざ席を移ってまで挨拶に来てくれたのに悪いことをしたな、とは思ってたから。
「ああ、別に気にしてないですよ。職場に女性が多いのも大変そうですね」
私に肩を預け寝息を立てている響子の頭越しに、目尻を下げる上村が見えた。
「……仕事のことだけ考えていられたらいいんだけどね」
ふと零れた私の言葉に、上村が敏感に反応した。
「……先輩ってそんなに仕事人間でしたっけ?」
「へえ中山、唐湊なんですか」
「響子K大卒でしょ? 学生の時からマンション変えてないのよ」
「ああ、引越しとか面倒がりそうですもんね」
すっかり寝入っている響子の顔を見て、上村はくすりと笑った。
「上村、飲み会では変な態度取ってごめんね。上村ってもてるから、その……色々面倒なんだよね」
私は上村に、飲み会でのつれない態度を謝った。
わざわざ席を移ってまで挨拶に来てくれたのに悪いことをしたな、とは思ってたから。
「ああ、別に気にしてないですよ。職場に女性が多いのも大変そうですね」
私に肩を預け寝息を立てている響子の頭越しに、目尻を下げる上村が見えた。
「……仕事のことだけ考えていられたらいいんだけどね」
ふと零れた私の言葉に、上村が敏感に反応した。
「……先輩ってそんなに仕事人間でしたっけ?」