グレープフルーツを食べなさい
「たとえ周りに嫌われてでも、厳しいことをいう人間が一人くらいは必要でしょう?」
「そうですね……それは、まあ」
私の言葉に、上村は肩を竦めた。
「でもどうして先輩がその役を引き受けなきゃいけないんですか? ひょっとして、上からの指示? 俺には先輩が無理しているようにも見えるんですけど」
「それは違うわ、自分の意思よ。会社勤めは結婚までの腰掛けで、会社では仕事そっちのけでお婿さん探しだなんて、社会人としての自覚が足りなさすぎるわ。第一そんないい加減な考えで仕事をされたら、あなた達営業だって迷惑でしょ?」
「まあ、確かに」
「それに中堅の私は、事務仕事だけじゃなくて後進の指導も込みでお給料を貰ってるんだから。指導が厳しすぎて嫌われようと、彼女達を事務のエキスパートとして立派に育て上げるのが私の役割だって思ってるわ」
「そうですね……それは、まあ」
私の言葉に、上村は肩を竦めた。
「でもどうして先輩がその役を引き受けなきゃいけないんですか? ひょっとして、上からの指示? 俺には先輩が無理しているようにも見えるんですけど」
「それは違うわ、自分の意思よ。会社勤めは結婚までの腰掛けで、会社では仕事そっちのけでお婿さん探しだなんて、社会人としての自覚が足りなさすぎるわ。第一そんないい加減な考えで仕事をされたら、あなた達営業だって迷惑でしょ?」
「まあ、確かに」
「それに中堅の私は、事務仕事だけじゃなくて後進の指導も込みでお給料を貰ってるんだから。指導が厳しすぎて嫌われようと、彼女達を事務のエキスパートとして立派に育て上げるのが私の役割だって思ってるわ」