グレープフルーツを食べなさい
「は? 勝負?」

「そうです。このタンカレー、ストレートで早く飲みきった方が勝ち。先輩が勝てばここは全て俺が持ちます。でも俺が勝ったら、先輩は真実を話す。どうです?」

 自信あり気に笑う上村にメラメラと対抗心が芽生える。

「……いいわ。受けて立つ」

 私だって、飲めない方じゃない。勝算は十分ある。

「いいんですか? 俺、絶対負けませんよ」

 私と上村は、カウンターに新たに置かれた飾り気のないショットグラスに手を伸ばした。


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