グレープフルーツを食べなさい
「だから私の方から婚約破棄を申し出たの。その時の彼の反応がまた凄くて」
「まさか、引き止められたんですか?」
「違うわ、別れを告げた途端彼、へなへなと座り込んでこう言ったの。『安心した』って。今思えば、出来ちゃった子供への責任と結婚を約束した私への罪悪感でずっと板ばさみになっていたのよね」
「でもそれって、本当に罪悪感だけなのかな……」
「え?」
「本当は好きな女を手放したくなかったんじゃないですか。だから、先輩と浮気相手の間で迷った」
「……そうかしら。でも、私がいたのに彼はその子を受け入れた。私への気持ちなんて、その程度のものだったんだってその時は思ったわ」
「先輩はそうやって、折り合いをつけてきたんですか? ……今まで、一人で」
「まさか、引き止められたんですか?」
「違うわ、別れを告げた途端彼、へなへなと座り込んでこう言ったの。『安心した』って。今思えば、出来ちゃった子供への責任と結婚を約束した私への罪悪感でずっと板ばさみになっていたのよね」
「でもそれって、本当に罪悪感だけなのかな……」
「え?」
「本当は好きな女を手放したくなかったんじゃないですか。だから、先輩と浮気相手の間で迷った」
「……そうかしら。でも、私がいたのに彼はその子を受け入れた。私への気持ちなんて、その程度のものだったんだってその時は思ったわ」
「先輩はそうやって、折り合いをつけてきたんですか? ……今まで、一人で」