グレープフルーツを食べなさい
「三谷先輩、聞きました? 新プロジェクトのこと」
「うん、聞いてる」
永遠に降り止まないかと思っていた雨が今日は止んだ。
梅雨の中休みに入ったんだろうか。久しぶりに雲間から覗く太陽が眩しい。
だけど蒸し暑さは相変らずで、私は額に浮かぶ汗をハンカチで押さえた。
「たまには外にランチいきましょう」と響子に誘われ、私たちは会社がある大通りから少し路地を入ったところにあるカフェまでやって来た。
響子は梅雨の間は特に偏頭痛がひどいと言っていたから、ただの気晴らしかと思ったら、それだけじゃないみたいだ。
どうやら、私に話があるらしい。
「新プロジェクトって、ショッピングタウン建設のやつでしょ。それがどうかしたの?」
響子はお冷を一口飲むと、心持ち私の方に体を寄せた。
「そのプロジェクトのために各部署から数名引っ張って、新しい部署を立ち上げるらしいんですけど…」
その話なら私も知っていた。今回のプロジェクトには会社も相当力を入れているらしく、メンバーに選ばれてプロジェクトを成功させれば、幹部候補への道が開けるのではないかと男性社員たちが噂していた。
「うん、聞いてる」
永遠に降り止まないかと思っていた雨が今日は止んだ。
梅雨の中休みに入ったんだろうか。久しぶりに雲間から覗く太陽が眩しい。
だけど蒸し暑さは相変らずで、私は額に浮かぶ汗をハンカチで押さえた。
「たまには外にランチいきましょう」と響子に誘われ、私たちは会社がある大通りから少し路地を入ったところにあるカフェまでやって来た。
響子は梅雨の間は特に偏頭痛がひどいと言っていたから、ただの気晴らしかと思ったら、それだけじゃないみたいだ。
どうやら、私に話があるらしい。
「新プロジェクトって、ショッピングタウン建設のやつでしょ。それがどうかしたの?」
響子はお冷を一口飲むと、心持ち私の方に体を寄せた。
「そのプロジェクトのために各部署から数名引っ張って、新しい部署を立ち上げるらしいんですけど…」
その話なら私も知っていた。今回のプロジェクトには会社も相当力を入れているらしく、メンバーに選ばれてプロジェクトを成功させれば、幹部候補への道が開けるのではないかと男性社員たちが噂していた。