ヌエ
15歳になり、施設を出た、行くあてなど何もない、ただ回りが、煩わしく感じて、しょうがなかった。
そして、ヌエに出会った薄暗い、ブレハブの中、涙を流す事のないヌエは、たけしを抱きしめ犬のトウボエのような声を上げた「ウォー、ウォー」たけしは、あの日以来初めて泣いた、15歳の子どもらしく、ヌエの背中を、かきむしり、ヌエの胸で泣き疲れて、眠るまで・・

ヌエは犬に化け、たけしの後に着いた、妖怪には、あるまじき行為だが、吠えて驚かさせて、その隙に弁当を取ったり小銭を落とさせたり、、土手に座り「人間て面倒くせーな、毎日飯食わなきゃなんないし、金は昔から争いの種だ、そう思うだろ、たけし!」ヌエの目を見つめ「ぶさいくな犬だな」と言った「あーまたそれを言う、どう見ても賢そうな犬だぜ」ふっと、笑った、たけし(いい顔してるな今)

「ウザイんだよ、お前!」声のする後ろを見ると、17 8歳ぐらいの男が三人立って、こっちを睨んでいる。

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