ﾇｴ

宿命

「探したぜ」そう言うと、いきなり肩を掴まれ、公衆トイレの裏に連れて行かれた。少し鼻の曲がった男が「肋骨は折れる、鼻の骨まで・・」たけしは鼻で笑った「このゴミめ！」拳を上げたが、たけしが避けたので壁に当たった、相手がうずくまった隙に、逃げたが公園の裏にばあちゃんがいた、呑気に「たけし、もう帰っておいで」と声をかける「お前のババァか！」ナイフを持って追いかけた男は、ばあちゃんに向かって行った
グサッ、鈍い音がした。 「たけしぃー」吹き出るように流れる血、妙は身体でその血を止めようと、たけしにしがみ付いた、ヌエはその瞬間に来た、遅すぎた「テメェらー！」三人の男は宙に浮き、そのまま地面に叩きつけられた。 「たけし、ごめんよ、遅くなった、死ぬなよ、死神に頼んで来るまで」「そうだよ、たけしには、才能があるんだ、将来の事も、ばあちゃんは考えているんだよー」消えそうな声で「ありがとう、ヌエ、ばあちゃん、生まれてきて、良かった、ばあちゃん家に帰りなよ」「死ぬなー死神様、助けてくれ」