あの海でもう一度。
(なんでそこまで言われなくちゃいけないの?どこに行こうがうちらの勝手じゃん…)

そう思っていると、

「…悪かった」

「え…?」

「悪かったって言ってんだよ。さっきはその…言い過ぎた。悪い…だから、泣くなよ」

そう言って指で私の涙を拭ってくれた。

(この人…いきなり優しくなった…)

と頭の中でぐるぐる考えていると。

「ねぇ、なっちゃん。みんなのとこ、帰ろうよ…」

いつも強気なかなが上目遣いで言ってきた。

「そうだね…行こっか…。」

私はもう一度男の子の方に向き、

「さっきはありがとうございました。」

とだけ言ってみんなの所へ帰った。
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