story
そう…僕たちの席は、教室で最も遠い場所へと離れていた。後期に入ってすぐ、席替えが行われたのだった。

咲と寮はというと、クラスみんなの協力により、隣同士になっていた。

僕は、2人の邪魔をしないようにと、咲たちから、密かに距離を置いていたのだった。

「咲。こんな時間まで何してるの?」

「健こそ。咲は…なんとなく…って感じかな。」

妙に見ていて違和感があった。どうしたのかと思ったけれど、そこは触れてはいけないと思い、聞かずにしておいた。

「俺は、知嘉を待ってるだけだよ。先生に呼ばれたみたいだったかな。」

「そうなんだ。」

「もうそろそろ暗くなってくるから、先に帰るね。」

そう言って、咲は帰っていった
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