エトワール
外はすっかり暗くなり、街灯がちらほらと灯り始める頃、真希と棗は仲良く肩を並べて歩いていた。
「ねえ、真希ちゃん」
呼ばれて真希が顔を上げると、真っ直ぐに前を向いて歩く棗の横顔が目に入った。
どことなく真剣な、思いつめたような横顔だ。
「真希ちゃんってさ、ぶっちゃけ俺のことどう思ってる?」
なぜかちっともこちらを見ようとしない棗を不審に思いつつ、真希は特に考えることもなく、思ったことをそのままサラリと口にする。
「もちろん、好きですよ」
その瞬間、突然ピタッと足を止めた棗に合わせて真希も立ち止まると、ようやく視線が交わった。
「それってさ、どういう好き?例えば、菜穂とか、学校の友達とかを好きっていうのと、同じ?」
その問いの意味がわからず、真希は困ったような顔で首を傾げる。