涙と ホームランと ありがとう

自転車をこいでる内に膝の痛みが増してきた。
『なんか段々痛くなってきたなぁ』
痛みを我慢しながらやっと家に着いた竜也。
「ただいまぁ、お母さん！ちょっと来て！」
家に着いた安心感からか大声で叫んでしまった。冴子が出てきた。
「お帰り、どうしたの？」
「膝が痛いんだ」
「膝？なんで？ぶつけたの？」
「わかんない…ぶつけてはいない」
「とりあえず上がりなさい。着替えてね」
「うん」
泥だらけなので玄関でユニフォームを脱いだ。その時竜也の左膝の悲鳴は激痛により竜也自身の悲鳴に変わった。
「いっ！！！」膝を抱え込みながら倒れる竜也、あまりの痛さに泣く事も出来ない！
竜也の様子に気がついた冴子が飛んできた
「どうしたの？そんなに痛いの？」ソファでうたた寝してた秀治も目が覚めて跳び起きた。
「どした？」