紅い果実《BL》

「…ッおい、しっかりしろ!!」

「え…あ、なた…は、」

「お前は誰だ!
ずっと眠り続け、さっき目覚めたばっかりのクソガキだろ!!」

「…ッあ、僕、は」

「フー…
ったく、危なっかしい奴だなー…」

気付くと目の前には死神がいて、僕の両肩を持って揺らしていた。

「クソガキって、言うな…!」

「はぁ?
少しは感謝しろよ、お前もう少しで魂に取り込まれるところだったんだぞ?」

魂に、取り込まれる…?

「お前が手にしているソレは命の輝きだ。
命の固まりなんだよ。
ソレ一つに独りの人生が詰まってる。

だから、引き込む力が強い。
特にこの仕事をするときは注意しなきゃいけない。
今みたいに魂に触る機会が多いから、魂の意思に自分がリンクしないように気を付けなきゃいけない。

じゃないとミイラとりがミイラになるぞ。」

死神がガラにもなくまじめな顔で話すから、なにも言い返せなかった。

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