紅い果実《BL》
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「おーい、ハクイ、いるか。」
呼んでから少しすると、奥の暗闇からハクイがでてきた。
「いるよ、どうしたのさ珍しい。」
「いや、俺に合った隷属がいるか見にきた。」
「あーわかった、ハイロに言われたんだろ。
アイツやたらとクロエのこと心配してたからなー。」
「大正解。つーわけで、良さげなヤツいる?」
「ちょっと待って。」
ハクイはそう言って、また暗闇へと消えていった。
ハクイは、いつも人間界の“ハクイ”を着ているからそう言う名前。
“ハイロ”は灰色が好きだから。
死神には基本、名前がない。
ただ俺は別で、もともとクロエという名前があった。