小さく笑ったあなたの目には

彼女はうつむいていた。

「僕のこと、嫌い?」

もう、そうならそうと早く言ってほしかった。

変な期待して、踊らされる方がよっぽど辛い。


すると、彼女はボソボソと言い出した。

「嫌いなわけないよ…。

好きだよ、大好きだよ。

でも、昨日告白したって言ったじゃん。

もう、わかんないよ。」

「…キミ?」

「もう、いっそのことキスとかしてくれちゃえばいいのに。」

何かが吹っ切れた。

「はじめからそう言えばいいのに。」

キミから誘ったんだからな。


僕は彼女の顎を少し上にあげ、

その唇に、

キスをした。


甘い匂いがした。

イチゴの味がした。

やわらかい、ぷるぷるとした感触だった。
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