小さく笑ったあなたの目には
その時急に言われた言葉に私は衝撃を受けた。

私は椅子に座り、机の上のものを整頓していた。

ふと、顔をあげ、ぼーっと教室の一番端にいるあの人を見ていた。

彼は廊下にいた彼女を見つけると、笑顔で教室を出ていった。

私はまた机を整頓し始めた。

その時だった。

私の机に影が落ちた。

顔をあげると、クラスメイトの小堀君が立っていた。


短く切った黒い髪。

二重で少し大きい目。

小さな涙ぼくろ。

運動部とは思えない白い肌。

私より少しだけ高い身長。

細いのに、意外にあった筋肉。

彼の笑うときちらりと見せる八重歯と、照れると赤くなる耳が私は好きだった。


「小堀君。どうしたの?」

私は少しだけ口角をあげ、子首をかしげた。

うまく表情が変わっているかどうかは分からないが。

すると彼は、静かに笑った。
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