人と狐と新撰組と

玲「…決まっているだろう?






    憎いからだよ、長州の奴らがね」



その場にいた人はみんな息を飲んだ。

玲沙の瞳は前を向いていた。

けれど、その瞳は誰も見ていなかった。

深い深い憎しみと怒りで染まった闇色の瞳

その奥に潜む復讐心に揺らぐ黒い炎

そして、その間から覗く悲しみにくれる影


そんな空気を纏った彼女がそこにいた。








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