square
『おい” コタロー”!ちゃんとボール見てろよ~』
中庭でバレーやらサッカーしてばか騒ぎ、座って話して大笑い。
男女関係なしにふざけあって、いじりあって、みんなで和気あいあい。
金曜日の3限はいつも、屋上からそんな”コタロー”たちを眺めていた。
なんてまぶしいやつなんだと思ってた。
人一倍の愛嬌と、愛くるしいルックス。
いつも仲間に囲まれて、いつも楽しそうで、いつも笑顔を振りまいている。
そんな誰からも愛されている”コタロー”を、俺はどこか羨んでいたのかもしれない。
一体、あれはいつだっただろうか・・・。
”コタロー”がこの屋上に来始めるようになったのは。
気づけば、金曜日の3限はいつも隣に”こいつ”がいるようになった。
いつも眺めている”コタロー”と、今俺の隣にいる”こいつ”は少し違う。
人は少なからず裏の顔と表の顔を持つものだ。
by junpei