梅花の軌跡
時渡りの先には試衛館
「…い」
ん?なんか人の声がする…?
「おい!!」
「ん…?」
ゆっくりと重たいまぶたを開ける。目の前には顔の整った男の人の顔。
顔…?
「うぁ!!!」
ゴツン!と鈍く大きい音が響き渡った。
「いってぇ…」
男の人が悶絶しなが唸る。あたしは声にならない痛みに耐えていた。
しばらくすると痛みが落ち着いてくる。
「すみません…あの、大丈夫ですか?」
まだおでこを押さえながらうつむいている男の人に問いかけた。
ゆっくりと顔をあげる。目の前の人。
やっぱり顔超整ってるんですけど、と心配よりそっちの方が小梅の思考を満たしていた。
「見惚れてめんじゃねぇよ!!」
キーンと耳に響く声。怒ってるとこおかしいと思います。
「大体お前はなんなんだ?変な着物着てるし、変な物持ってるし…しかも足出しすぎだろ。誘ってんのか?」
「へ…変態!!」
初めて会ったのになんてことを言い出すんだこの人は!失礼でしょ!
「あたしは変じゃないです!!どこからどう見ても普通の女子高生だし、普通に制服…」