Wonderful DaysⅢ【berry’s cafeバージョン】
『どんだけだよ……小学生になりたての一年生だって、学校で迷子になったりしねぇぞ』
「マリアを擁護するわけじゃないけど、うちの学校、増築、増築でかなり複雑な造りをしてるの。それにあの子、迷子になったことを何度かクラスメイトにからかわれて一人で行動しなくなったから、余計に道を覚えてないのよ」
『……………………』
それに返ってくる言葉はなく、長~い溜め息だけが聞こえてきた。
「なにか言いたいことがあるならどうぞ」
『いや、もういい……。それより、準備室っていくつあるんだよ』
「10ヶ所くらいだったと思う」
『それ、片っ端から回って何分くらいかかる?』
走りながら会話しているうちに、教室から一番近い準備室に辿り着いたけど
「急いで5、6分」
ドアには鍵が掛かっていて開かなかった。