Wonderful DaysⅢ【berry’s cafeバージョン】
「強制送還って……冗談でしょ?」
学校から連絡がきただけで?
『冗談じゃねぇから、こんな苦労してるんだろが』
「……………………」
まぁ、確かにね。
いつもの蓮なら、こんな回りくどいことしないだろうけど。
『だから─────……』
「わかった。マリアが見つかったらすぐに連絡するわ」
『あぁ』
蓮との話を終えて、一度電話を切った。
お兄さんの耳に入る前に、なんとしてもマリアを見つけ出さなきゃ。
そう思いながら、次の準備室へと急いだ。
でも……
「……ここにもいない」
私の気持ちとは裏腹に、どの準備室もやっぱり鍵は開いてなくて。
ドアを叩いて名前を呼んでも反応がない。