Wonderful DaysⅢ【berry’s cafeバージョン】
「どこに行っちゃったのよ、マリア……」
いつまで経っても見つからなくて、気持ちは焦るばかり。
残る準備室は、あと三つ。
この分だと、他のドアの鍵も開いていないかもしれない。
それでも気を取り直して足を向けたのは、然程離れていない場所にある家庭科室。
ここは廊下に入り口がある他の準備室と違って、教室の中に入り口がある。
だからといって開いているとは限らないけど、先生が閉め忘れていることを期待しながらドアに手を掛けた。
教室の最奥にある準備室のドア。
そこに小走りで向かってドアノブを押したら……
「うそ、開いた……」
まさかの鍵が掛かっていなかった。
もしかして、マリアはここにいるかもしれない。
そんな淡い期待を抱いて、中に足を踏み入れた。