氷と魔女《specialstory 完結》
夢奈は頬をぷくーっと膨らませる。

「ごめんごめん。

そろそろ授業始まるよ?」


「…はーい」


夢奈はしぶしぶ自分の席へと戻っていく。


冷夜はこっちを少し見ると、小さく「お疲れ様」と言った。


「まあ、ね」

私がそう言うと、冷夜は少し笑って前を向いた。



今は初めての授業が始まろうとしてる10分休み。
SHRが終わって、今は担当の先生が来るのを待つだけ。


教科、なんだっけ?

早速魔法系授業だったと思うんだけど…



私が考えているその時


シュンッ


風を切った音に、Sクラスみんなが一斉に前を向く。




そこには先生が立っていた。


「彩先生が実技訓練担当なんですね」

冷夜の問いに、先生はムッとした表情で答える。

「彩先生はやめてくれよ…。

ま、そうゆう事だ。実技担当はお前らの担任でもあるこの俺だ。

今すぐ第3競技場へ来い」



先生はニヤリと笑うと、「クローズ」と言って消えた。

『クローズ』…今のは幻影ってことか。

『クローズ』はビデオを遠く離れた人に見せるようなもの。
送る時は『アップ』と言う。

まあ、『アップ』と呟く魔法っていっぱいあるから、微妙な魔力差で扱う。

それが大変だから、上級魔法でも上の方…


って


「みんな、早すぎだって。

空移動」





1人いつの間にか残ってた教室を、私は後にした。




< 108 / 316 >

この作品をシェア

pagetop