氷と魔女《specialstory 完結》
3人が私たちに追いつくと

「お前、さっきも言ったけどよ、余裕だからってサボるなよ」


吟はため息まじりに私に言う。


「別に余裕じゃない」

「「「うわ……」」」

3人は冷たい目で私を見る。


吟も肩をすくめて見せた。




え、本当だよ。
ぼーっとしてたらみんなに追いつかれるかもだしね。


この学園って、来ただけでかなり魔力が上がるらしいし。

私も、40万夢じゃないかな?


「はぁ……まあいい。次はただの魔界の文化ってゆう授業だ。
めんどいけど、さっさとその教室に行こーぜ」


吟を先頭に、ぞろぞろみんな進み出す。



4人の楽しそうに話す後ろ姿。




「…………やっぱ、耐えきれないかも、春美」



「……千草?早くおいでよー!」



「あ、うん。行く行く」




私が呟いた言葉は聞こえなかったよね。


夢奈が手招きする方へと小走りで向かう。




こんな日常が、いつまでも続けばいいのに……



そう思ってしまった私は、やっぱり逃げてると思うんだ。


< 129 / 316 >

この作品をシェア

pagetop