氷と魔女《specialstory 完結》
ヒュンッ


「………ここ、かぁ」

「そう、ここ。心の準備はいい?千草」


もちろん。

もう散々悩んで苦しんだ。

これ以上は苦しむ余地がないよ。



「大丈夫」


私がそう答えると、春美はふっと優しく笑って、丸くした右手を茶色いドアへとのばしていく。

コンコン



木材は結構古いのか…
嫌に響いた。


ドアの上の『理事長室』の金色の文字が変に光った気がして…


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