氷と魔女《specialstory 完結》

さよならのテスト

「えーっと。今週はテストですね。
魔界歴史学ではp4〜p28までが範囲となっています。
全部重要なところなので、ちゃんとチェックしておいてくださいね。

特に、魔界の昔話。面白いようですが、奥深い物語ですね。

この昔話からも出ないようで少し出しますから、ちゃんと読んでおくように。

はい、終了!」


そう年配のおじさん先生が言うと、先生は消えてしまった。


同時にクラスはうるさくなる。


みんなテストの話題を言ってる。


うーん…きっと春美、頑張ってるよね。

しかも、上がっても下がってもいけないんだもん。10位キープってなかなか難しいよね。


私は多分…大丈夫。

一応、今日帰ったら全範囲見て見るけど。



「千草」

ふと私を呼ぶ声が聞こえて、顔を上げた。

「……冷夜」



そこには無表情のまま私を見下ろす冷夜の顔があった。


「ちょっと来て。話がある」

「あ、あぁ。うん」


冷夜はさっさと教室を出て行く。


まあ、10分時間があるしね。間に合うでしょ。


< 171 / 316 >

この作品をシェア

pagetop