氷と魔女《specialstory 完結》
「………良かったの?あれで?」


今は春美と学校内を歩き中。


どこに向かってるかって言うと、理事長室。

ちょっと理事長にテストのことでもう1度話したいことがあったから。

魔法で行けば一瞬なんだけど…

あいにくテストである今日1日は、カンニングの恐れもあると思われてて、魔法禁止。

こんな状況で魔法なんかすれば、テストを今日1日受けたのがパーになっちゃうんだ。



理事長室は結構遠くて。多分歩いて15分ぐらいする。

春美のいつもは魔法目的で使う地図はこんな時に役立つとは。


「おーい!聞いてる?」

「あ、ごめん。なんだっけ?」

「もぅ…だーかーら。あれで良かったの?」

「あれって?」

「ほら。特別寮のみんなよ」


春美は呆れたように私を見る。


「……うん。大丈夫。
テストの結果は明後日出るんでしょ?

私は明日学校を休んで、作戦会議を開く。

そして明後日結果を聞いて。運良ければ…

退学する。そんな計画をたててるの。

その計画がうまく行けば…夢奈たちとは、言葉を交わさないで済むんだ」


もう、これ以上仲良くなりたくない。

さっきの私で『感じ悪い』とか思ってほしい。



「ふ〜ん。じゃあ、さっきので、みんなに嫌われたりするのが本望だって言うの?」

「もちろん」


春美は呆れた表情を変えず、大きなため息をついた。

「………バッカじゃないの?
本当に、呆れるわ」


「………え?」


春美が急に私を睨む。

え?え?私、なんかしたっけ?あれれ?


「まだわかんない?
ほんっとに純粋で生粋のバカね!」

春美は私の胸ぐらを掴んだ。


「ど、どうしたの春美⁉︎
ここ、人通りが少ないけど…もし誰か来たら問題に…」


「そんなのどうでも言いっつってんの!」


春美の険悪に押し負ける。


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