氷と魔女《specialstory 完結》
「大丈夫だ、夢奈。
きっと会える。たとえ、どんな苦しい時でも。
逆に会いたくない時でも、な。

人の心理にこんなものがあるらしい」

冷夜は話を続ける。


「会いたいと思ってた人にいざ会うとき、ちょうど会いたくない時だった。

会いたいと思ってた時に、会えなかった。

そう思うも思わないも全部心のせいだと。心の持ち方で、全てが変わるんだよ」


心の持ち方…ねえ。


「じゃあ、どうゆうふうに持てばいいんだ?」

「そうだね…例えば『会えない方がいい』とか。
会ったらまた巻き込んでしまう。それは嫌だろ?
巻き込むなら会わない方がマシだ。そう考えるんだよ」



俺は、冷夜みたいに考えられない。

結局まだガキなんだよな。俺って。


冷夜は大人だし。結構羨ましかったりする。



千草と話してるところを見かけると、つい『お似合いだな』とか思ってしまう。


そんな自分が、嫌だったけど。

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