氷と魔女《specialstory 完結》
私の頭の中に、君との思い出が溢れかえった。



告白してくれた時。最初は断ったっけ。
でも良弥のまっすぐな思いに惹かれて行って。
付き合ったんだっけ?

2回目のデートで、手を繋いだんだっけ?
君から手を引いてくれたんだっけ。
「寒いし」なんて言いながら
顔が真っ赤だったのを今でも覚えてるよ。


何回目のデートでキスをしたっけ。
路地裏に入って、急にキスされたんだっけ。
君のぬくもりがとても感じられて。
今でも唇に感触が残っている気がするんだ。






そういえば、喧嘩したんだっけ…
仲直り、したっけな。

そういえば喧嘩したのは、私の誕生日だった気がする。

だから私は帰るのが遅くなったんだ。


そしてそのまま、私は消えてしまったんだ。





良弥。ごめんね。
きっと良弥がここに来たのは、謝りたかったからなんでしょう?

気づかなかったよ。
君の涙をみても思い出せなかった。


今からでも届くかな。


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