氷と魔女《specialstory 完結》
「なっ……⁉︎」

「っ……‼︎」




風の勢いは止まらないよ⁉︎


2人とも別れたせいで逃げ場が確実に少なくなってる!
それに逃げるのに夢中で魔法を出すという選択肢がないのも事実!


「「ぐはっ………!」」



「さすが双子だね。
苦しむ時は、同じ顔なんだぁ♪」


「おい!千草!
なにもそこまですることないだろ!」


「吟は黙ってて」



急に吟が私の前へと入った。
顔には確かに焦りの表情が出ていた。


ーーーーごめんね。
苦しませてごめんなさい。



私は、みんなを守り…ーー


はっ!

ダメダメ!本心よ、本音よおさまれ!
今、ここではは冷静にならなきゃ……



「吟。どいて。
トドメがまだできてない。2人ともまだ息がある」


私は吟に構わず20mほど吹っ飛ばされた2人へと歩み寄っていく。


「おい、待て」
「待たない」
「待てよ」

「ついてこないで…!」

私は勢いに任せて掴まれた腕を振り払った。

大して力は入れてないはずだったけど。

魔力が溢れんばかりにある私の体は、思った以上、何倍もの威力が出る。

「くっ……‼︎」


私の手によって吹っ飛ばされた吟。
しりもちをついて、歯をギリリと噛み締めた。


『ごめん!』


前の私だったら言えた言葉。

でも今は言えないよ。


「ざまあみろ。ってやつなのかなぁ?」



私は氷の笑みを浮かべた。


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