氷と魔女《specialstory 完結》
*冷夜の感情*

「冷夜ー!ごはーん!」

「あぁ、今行く」


大樹と冷夜。

2人は幼馴染。

そして、大臣の息子。



「冷夜、もっとお前食べろよ!
だからそんなにガリガリなんだよ!」

「…別に、肉そんな好きじゃないし」


私から見ても、2人はとても仲がいい。

「まあまあ、大樹、いいよ。
冷夜が食べないのはいつものことでしょ?」

そう言った夢奈は大樹と冷夜の前に夕ご飯を置く。
私と吟の前にも。

今日の夕飯はハンバーグ。
けど…冷夜は山盛りサラダだけ。

「冷夜……お腹空かないの?」

「全く」

う、うぅ…つかみどころ、ないよなぁ、冷夜って。

時々見せる笑顔はとっても優しいものなのに。

大樹とは正反対……ってあれ?


「2人ってなんで仲良くなったの?
正反対じゃん、性格」


私はふと気になって尋ねる。

すると大樹は急ににやにやし始め、冷夜はその様子を見てため息をついた。

「あ、俺も気になるかも」

「私もー!」

吟と夢奈も気になり出し、2人に聞く。

「別に、普通ですよ。
なんとなくです」

「嘘つけっ!
ふっふーん!3人とも、話してあげようじゃないかっ!」


大樹の態度にちょっとムカつきながらも、おとなしくなる。

冷夜はため息をもう1度ついた。

そして、大樹は話し始めた。


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