氷と魔女《specialstory 完結》
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「大樹、ちょっと来なさい」

俺が小3の時、ある日父さんに呼ばれた。

家の中の客間。
この無駄にでっかい家に住んでいる俺自身も、客間になんて滅多に入らなかった。


「ほら、大樹。
父さんの友人で、仕事でもつながりがある人の子供の冷夜君だ。

挨拶しなさい、隣に引っ越して来たらしい」


父さんは客間になんて俺を入れると、見たこともない男の子を紹介された。

なんかひょろっちくて弱そうで。
でも目になんか冷たさがあったし、愛想もない。

素直に怖いって感じもしたし、なんか仲良くなれそうにないと思った。


「よろしくな!俺は大樹!
マリニア小学校に通ってる」

にぱっと笑って手を出す。

「……よろしく。冷夜だ」

冷夜は無愛想にそう言ったけど、手は握らなかった。
冷夜の父さんらしき人が背中を叩いて、渋々俺の手をにぎったけど…


冷たい。めっちゃ冷たい。

我慢して笑顔を作ったけど、本能的に…


『絶対仲良くできねえ…』


そう感じた。


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