氷と魔女《specialstory 完結》
次の日、案の定と言うかなんというか、冷夜が転校してきた。

私立小学校の俺が通っていた学校に転校生なんてまずそうそうこないから、みんな冷夜をびっくりした様子で迎えた。

…けど、クラスのリーダー的存在の男、雷が、冷夜に目をつけた。

「お前、弱そうだなぁっ!
次の時間は対戦の実技だし、俺とやろうぜ?」

そいつはクラスで1番強い…と思い込んでるやつ。
実際俺の次で、クラス2位なんだけど。


冷夜は面倒くさいと断ったけど、実技の時間で無理矢理対戦相手にさせられてた。

あ、冷夜終わるな…俺より弱いといえ、あいつも結構強いし…

なんて俺だけじゃなく、みんなも不安気に思っていた。

けど


「アイス・グラッジェオ」


一撃で
すっげえ魔力を出して

そいつに勝っちまった。

冷夜が唱えた魔法は、聞いたことがあって。
『最上級魔法』

小学生で使えるのは異例で、俺さえもうまく使いこなせなかったのに、簡単に使って見せた。


_

そして次の日…

雷は冷夜に構うのはやめてたけど、弱いものいじめはやめなかった。
雷は集団的に1人の女子をいじめていた。

クラスで1番弱い女子だったし、昔雷の持ち物を壊したことがあるやつ。
雷は放課後の戦闘練習室で今日もいじめていた。


俺は比較的関わらないようにしていた。面倒ごとに巻き込まれたくなかったし。

…けど、冷夜は違った。


「アイス・スピィエア」


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