氷と魔女《specialstory 完結》
ミウってやつはなんか良かったって感じだし。

俺、怯えられてたのかぁ〜…

普段女子と喋らないとこうゆうことになるのか?


「あ、よろしくね!良弥…くん?」


「あぁ、良弥でいいよ」


「あ……うん!ありがとう!

あたしもミウって呼んで!」


小さくて、守ってあげたくなるような子だった。

一言で言えば、リス。

小動物って感じだし、ふにゃっと可愛い笑顔を浮かべるところ。


不覚にもドキッとしてしまった自分に反省…



「あぁ、よろしく…ミウ」


席替えのくじ運は良かったな。


そんなことを思った。


***


「良弥!ねぇ、良弥の将来の夢ってなに?」


席替えしてから1ヶ月半。


もうすっかりうちとけている俺ら。


日直だから2人で残って、ミウはマヤの席を借りて俺の方を向きながら一緒に日誌を書いていた。


「……夢?なんで、急に?」

「なにいってんのー!宿題じゃん?進路の紙、もらったでしょぉ!」

ちょっとほおを赤くして言うミウ。

ミウといると、男子といる時とは違う…優しい笑顔がこぼれる気がする。自分で言うのもあれだけど。

子供みたいだ、まだミウは。


「進路…進学校はいろいろ早すぎなんだよなぁ」


「早くないよ〜。
で?夢はなぁに?」


くりんくりんの目で上目遣いをやられると、相手がミウってことも忘れてちょっとドキッとする。

ミウは…マヤによるとかなりの天然らしい。


2人は向かい合わせで住んでる幼馴染だとか。


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