氷と魔女《specialstory 完結》
ミウは無自覚だし…そこが女子にもなぜか理解され、嫌われないらしい。

優しいところやわざとらしくないところとか…女子もわかるんだな。


「あ?俺…は医者だよ」


「へぇ!医者‼︎なんで?やっぱりお父さんの影響?」

ミウとマヤは仲がいい女子になって、よく駿太と4人で話す。

その時に親の話をしたことがあった。


「それもある…けど。もう1つあるんだよ」


「へぇ〜!なぁに!教えて!」


忘れかけてたけど…なんでだろう、ミウのその言葉が聞こえた瞬間、ふっと思い出した。


「…昔好きだった人さ。

小さい時、なんでかわからないけどよく傷ができてるんだ。あ、もちろん虐待とかでできる傷じゃねえぞ?
どっちかっていうと…まるで喧嘩とか、たたかったあと…みたいな」


俺は昔好きだった人を思い出すように話し始めた。


名前も、顔も思い出せない…けど、なんでか、夢の動機だけは覚えてる。


「そいつを守りたいって…治したいって思ったんだよ。

天使みたいな笑顔のやつだったな…今はいなくなったけど。

だから…意味ないのかな、この夢も」


俺がそう言うと、ミウは…だんまり状態。


こ、こんなしめっぽい話したからか…!


「ご、ごめんなミウ!急に重い話になっ……て」


ミウは…なんでだ?

なんでかわかんないけど、泣いていた。


< 300 / 316 >

この作品をシェア

pagetop