氷と魔女《specialstory 完結》
「俺、遊園地って昔1回行ったっきり」



「私も。お母さんとかと」



「俺も」





そこでふと、会話が途切れる。



私の両親はもういない。



…吟の父親も、もういない。






「…私のせい、なんだよね」




隣にいる吟にも聞き取れないほど、小さな声で呟いた。




魔界と人間界が1つになったとしても、

時の流れは変わらない。





私が吟の父親を殺したせいで、



人間界となったこの今…吟の父親はいなくなっていた。




とある事件に巻き込まれ、命を落とした。




人間界ではそうゆう『設定』になっている。





違う、違う。




本当は全部…





私のせいなんだよ。





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