氷と魔女《specialstory 完結》
まあ、無視もあれだから…

「私、政府の者の子供じゃないので」


とだけ言った。

その言葉に、みんな驚きを隠せなかったっぽい。

まぁ、確かに魔界は魔力が高い人はほぼ政府にいる。
その遺伝で魔力が高くなることが多いから、この高校、政府の子供が多いんだよね。



「へ〜…
なあ、大樹と冷夜、お前らはそう?」


吟は2人に話を持ちかける。

「俺らはどっちもそうだよ!
俺は魔界防犯大臣の息子だ!」

「僕は魔薬大臣の息子」


へえ…

敵にはまわしたくないタイプだけど、この2人は私の敵、か。

それにしてもどっちも大臣の息子はないでしょ…
そりゃ魔力が高いって。


「はいはーい!
私は政府じゃないけど、魔具取り扱い専門店《MAGICAL》の1人娘でーす☆」


夢奈がアイドルみたいにウインクしながら言う。



《MAGICAL》って…
魔具取り扱い専門店だったら、魔界トップじゃん!

社長令嬢ってことよね…

政府御用達でもあるから、この子も敵なのかな。


「俺は…副大臣の息子だ」


「「は?」」

今の声は、大樹と冷夜の声。

私も、素直にびっくりした。

ポーカーフェースもなかなか保つのは難しいな。

夢奈は慣れてるのか、ちょっと笑ってた。



魔界のトップは、日本でいう天皇みたいなもので、魔王。

そして次が政府のトップ、大臣。

3番目が、合計で2人いる副大臣…

で、その次が全部で8つある日本でいう行政機関の大臣。


つまり、吟は魔界でも3位の権力者の息子で、大樹と冷夜は4位の息子。


それに夢奈は政府とは別だけど、とても大きな権力者だね。



………みんな敵とみなしていいよね。

やっぱ、馴れ合いは無しだな。

こいつらとは、仲良くならない。


いくらいい奴らでも



いずれ、敵となるのだから。
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