遠い君
テスト
「では、テストの返却をします。」
と、担任が言った途端、クラス中が
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
という声でいっぱいになった。
だが、担任は無視して名前を呼んだ。
そして皆は、渋々テストを取りに行った。
〔やったー!100点だ!和希君はどうなんだろ?〕
と思い、テストを覗いて見たら、
なんと!100点!
と思っていたら、男子が覗いて口を大きく開き、叫んだ。
「うえぇー、お前らどっちとも100点!すげぇー!」
皆が、騒ついて
「えー、まじかよ」
「梨花ちゃんすごーい!」
だが、私たちは、ものすごく嫌そーに、睨んでやった。
そしたら黙った。
「ふー」
やっと終わったと思いつつ、
和希に声をかけてみた。
「大丈夫だった?」
「大丈夫。ありがとう。」
始めて私に笑顔を見せた。
なぜかキュンとした。
そして、モヤモヤした。