空とマンホール
視線が私に向く。
「熱心な仮入部員一号です、続くか不明ですが」
先輩が紹介してくれる。熱心な、と言われる程熱心でもないけれど。
「砂藤です、初めまして」
「顧問です、初めまして」
可笑しな挨拶を済ませ、先生が黒板前の机に座る。そこで作業し始めたのを見て、あたしもスケッチブックを開いた。
美術部の活動は各々自由らしい。
美術に関係するなら何をしても良い。絵を描いても良いし彫刻しても良い、流石に陶芸は機械がないから出来ないらしいけど。
息抜きに先輩と話す。私が仮入部している間、先輩以外の先輩に会ったことがない。