空とマンホール






午前練の後は、クラスの文化祭準備が入っていた。

「南雲、ちょっと良い?」

マネージャーで集まろうとしていた南雲の背中を呼び止める。俺の隣には敬司がいて、何も言っていなかったので、同じように足を止めた。

「あ、うん。ちょっと待ってて」

「二階の特別教室にいる」

そう言って体育館を出る。
部室に行って初めて敬司が口を開いた。

「何が始まんの?」

どうして少し楽しそうに聞くのか。

「修羅場とかじゃないからな」

「なーんだ。じゃあついてくの辞めよ」

付いてくるつもりだったらしい。



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