空とマンホール
着替えて、ネクタイを結ぶ。
エナメルバッグを持って、更衣室を出た。バスケ部の先輩も既にクラスや予備校へ行ってしまった。
「つか、砂藤さんは?」
「付き合うことになった」
「ええ、ええええ!」
「煩い。キショイ」
勢い良く俺の肩を掴んできた敬司は、目を瞬いている。
それから顔を逸らそうと歩きだした。
「聞かせて、その経緯の方が知りたい! いつの間に、俺が知らない間にどうしてそんなことに!」
「あとでな、あとで」
「絶対だぞ、絶対だからな!」