空とマンホール
内容が分かっているのかどうか。
女心は秋の空だっけ。
夏はまだ続くけれど、秋は近づいてきている。
「結に、俺と付き合ってるって言った?」
南雲は静かにこちらに歩いてきて、俺の隣の窓に寄りかかった。
「うん」
悪びれた様子はなく、でも、こちらを見ようとはしなかった。
「だって、そうしないと勝てないと思ったから。汐野は噂には無関心だし、砂藤さんしか見てないし」
秋の空以上に、女は分からない。
というより、怖い。
「……ごめん」
でも、俺はそれを知っていた。