空とマンホール
あたしも一人の部屋へ帰る。と、その前にスーパーに寄って食器用洗剤を買わないと。
アパートや諸々のお金は祖母に出して貰っている。バイトも探さないと、そして土日に入れないと。
お金のことを考え出したらキリがないことは分かっている。でも、今出来ることは今しておきたい。
スーパーを出て道を歩く。急に腕を掴まれて、振り向いた。
「お前何やってんの?」
「…え、あ」
「は?」
「スーパーの、帰り」
嫌な感じで鳴っていた心臓が、煩い。
どうしてここに哲が出てくるのだろう。