空とマンホール
学校生活は難なく過ぎている。
告白される回数も減ってきているし、それをネタに陰口を言われることもないし、お弁当を食べる友達も出来た。
哲が自らあたしが家に住んでた、と言わなければ哲とはただの同級生。それか幼馴染でしかない。
あの日、あの女の子に哲が言ってから密かに噂みたいに広がっていないか心配したけれど、そんなこともない。
「結は美術部に入るの?」
土日に哲の家に帰った。そこはいつもの家で、哲が言うくらい過剰な心配をしている様子は無いけれど、本人の前でする程哲ママのデリカシーは欠けていない。